プラウト (2005) これからの子ども社会学
読書会があると聞いて読んだ本。私たちは「子どもは〜〜というものである」(例えば、「子どもは学校で教育されるべきである」)という信念を、本当はそれは1つの考え方に過ぎないのに、さも自明であるかのように抱いてしまう。子ども/大人という区別を当然視してしまう。しかし、現代ではそういう二項対立や「子どもとは何か」を自明視、当然視するのではなく、問うていかねばならないと本書は主張する。
社会学で構築主義を学んだ人なら「何を今さら」というような話なのだが、日本で「教育」や「子ども」に関わる業界の人々は、「20年前にこうした議論は出尽くしたのに誰も勉強してない」のだという。相変わらず「自分が考える教育」「自分が考える子ども像」を固持し、(苫野一徳さんの言葉を借りれば)信念対立を繰り返している。耳の痛い話であるが、教育という業界がそこから抜け出しうるだろうか。
これからの子ども社会学 生物・技術・社会のネットワークとしての「子ども」
- 作者: アラン・プラウト,元森絵里子
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2017/03/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る