2017年の振り返り
2018年になりましたが,昨年の振り返りです.
2017年に直面したこと
a)データは偉大
自分で収集・分析したデータを持っていると,色んな場所で自分の関心について話せてすごい.年初に提出した修論をもとに,日本教育工学会研究会・全国大会や日本文化政策学会若手研究者交流セミナーとさまざまな場所で話させてもらった.一方で学振には落ちたし,投稿論文はまだアクセプトされていない.くさらず続けていく.
b)発表に元気がない
話は面白いのだけど,話し方に熱意や覇気を感じにくいという意見をめっちゃもらった.2017年は東大,専修大,帝京大の授業や,駒場祭の企画で話す機会をもらった.せっかくいただける機会.「落ち着いている」と言われがちで,どうにかしたいところ.
c)文章を「つくる」
自分にエンジニアやアーティストとしての側面があるなら,それは文章において発揮されるだろう.まれびとハウスでの日々や,技術論についての原田くんとの会話,津和野での瀬下くんとの会話から思うようになった.Facebookに投稿する読書感想文を「つくった」と表現しても何も問題ない.自分にとって扱いやすく,いじくりやすい素材は「文章」なのだから,そこでティンカリングしていく.
2017年に読んで面白かったもの
学術書:小川さやか (2011)『都市を生きぬくための狡知』 世界思想社
先行研究レビューによる問題設定の鮮やかさと,論点を示しながらデータを読ませていく書きぶりのよさ.「本」としての完成度と面白さがめちゃ高い.
都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―
- 作者: 小川さやか
- 出版社/メーカー: 世界思想社
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: 単行本
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論文:河井亨 (2012) 学生の学習と成長に対する授業外実践コミュニティへの参加とラーニング・ブリッジングの役割. 日本教育工学会論文誌, 35(4): 297-308
ぼくらが「成功した大学生」として持っているイメージ,たしかに「ラーニング・ブリッジング」やわ!言語化された!,と家や研究室で大騒ぎした論文.
「記憶」「日常」「群像劇」に引っかかる人にとっての至高.「どこの家庭も、どこの親子も、大抵はつまらない料簡のなかで生きていて、しかし現実がそこにあればやっぱりそれだけで感動する」って台詞にやられる.